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アマゾンの美容室開設 その真の意味と業界の今後

ARでカラーリングを事前シミュレーション
ARでカラーリングを事前シミュレーション
美容室とDXとの融合について示唆に富む1冊
美容室とDXとの融合について示唆に富む1冊

eコマース市場を制したと言っても過言ではないアマゾンが美容室を英国ロンドンに開店したと話題になっています。

 

業界人なら脅威ととらえ戦々恐々となっていますが、この辺のリアル店舗の代表とも言える美容室の出店は、一連のアマゾンの政策の流れからある程度は予想がついたことです。

 

一連の流れとは、リテールへの進出です。

アマゾンが2017年に買収した食料品小売店ホールフーズの特定店舗で、アマゾンが開発した非接触の店舗支払いシステム(アマゾン・ワン)を導入することや、今回の美容室開設に見る、AR(拡張現実)でのヘアカラー施術のシミュレーション、美容室に居ながらにしてヘアケア製品の発注ができるシステム導入など、リアル店舗でのDX(デジタルトランスフォーメーション)化への流れを加速させようというものです。

 

この辺のダイナミックなDX化の加速と従来の実店舗のビジネスとの融合については、『コトラーのリテール4.0に詳しく書かれていますので、興味のある方はお読みください。

 

同書に導かれて次のような結論に至ります。

いくらeコマースが急速に成長していようとも、小売り市場におけるデジタル取引は全体の2割に満ちません。8割以上がリアル店舗での取引なのです。当然、今後市場のシェアを伸ばしていこうとするなら、リテールや美容室などリアル店舗への進出が大きなカギをにぎっていることになります。

事実、アマゾンばかりでなくeコマースのアリババもリアル店舗の出店を加速させていますし、その他の巨大eコマース企業がリアル店舗への参入を続々と計画中です。

そのためのDXでの壮大な実験がリアル店舗で始まったととらえるべきでしょう。

 

美容室の開設はそのための一環に過ぎず、別に今後、美容室を単独で世界中に出店して美容室市場を席巻しようという考えはないと見ます。

 

同書では、DXの進展は従来のBBBCビジネスから「HH」ビジネスへ。つまりH(ヒューマン)からH(ヒューマン)への流れを加速する。つまり深い人間と人間とのダイレクトな交感こそ、これからのビジネスを決するということで、美容室こそHHビジネスの最前線に位置するわけで、DXとの融合もとても相性の良い業態であると思えるのです。

 

この辺は、これからの美容室経営を左右する、とても重要な視点であると確信します。

美容室では以下のようなDX化のことが考えられ、そのキモは多様なタッチポイントを通じて顧客体験をしてもらう機会を多く持つことです。

 

・コストのかからない予約システムの構築

・希望ヘアスタイルを担当美容師と事前シミュレーション

・店販品のeコマースでの販売システムと販売網

・次回予約優先システム

・ヘアのことお悩みホットラインの創設

・店販品の特性やホームケアの仕方など動画配信

・その他

 

 

私たちの研究所で今後、真剣にこれらの研究をしていき、美容室の経営にフィードックしていきたいと思います。